余白域vol.03 -特集-通信教育を/から考える(仮)原稿募集

現在、おそらくあらゆる学校教育の現場が、大変な困難を抱えていることと思う。その一つが、主に大学での授業のオンライン化だろう。Twitterのタイムラインでも、主に大学でのオンライン授業事情を目にすることが多くなった。

この状況の中で、オンライン教育が急速に普及しつつあるが、以前から遠隔での教育は、「通信教育」という形で行われてきた。その意味では、今の状況は既存の教育が、一時的なことにせよ通信教育化していると言える。

しかし改めて考えると、「教育」という営みの中で、通信教育は例外的なものではなかっただろうか。悪く言えば、教育において、通信教育は周縁的な位置づけを与えられてきたのではないか。通信教育は通学での教育を受けるのが難しい人のためにある、というように。それは、通学教育と通信教育、そしてそれぞれで教育を受ける人々の間に、分断をもたらしてきたようにも思う。

なるほど「通信でしかできない」という要素を思い浮かべることは難しい。一方で、繰り返すが、現在の状況においては、一次的(になってほしい思うが)なことにせよ、通信教育的な手法によって、対面での教育を代替せざるを得なくなっている。その中で感じられている困難は、これまで通信教育という領域において、多かれ少なかれ感じられてきた困難ではないだろうか。

そこで、このような形で暴力的にもたらされた状況ではあるものの、通信教育的なものの領域が広がりつつある今、これまでなされてきた「通信教育」という営みを考えることが、必要なのではないかと思う。

本特集では現在の状況の中で「通信教育」という営みを見直すことで、教育とは何かという大きな問いを考えるきっかけにしたい。特集名には通信教育という言葉を用いているが、おそらく同じく活発になっているであろうオンラインでの学習会や研究会なども対象に含めたい。

通信で何かをこれまで学ばれてきた方、学ぼうと思っている方、また現在オンライン授業や、研究会などに関わってきた/いる方から、広く原稿をお寄せいただき、お話を伺いたいと考えている。


■誌名:余白域vol.03 -特集- 通信教育を/から考える(仮)
・発行予定:第三十一回文学フリマ東京(2020/11/22)※予定
・募集原稿:通信教育やオンライン授業/勉強会などに関する論考、エッセイなど
・締め切り:2020年8月末日(寄稿希望者は事前に編者まで構想・文字数などをご相談ください)
・問い合わせ:古戸圭一朗(@kei_furuto)までDM、またはメールをお送りください。
【メール】kei.furuto★gmail.com ※★=@

・寄稿者の方には、本誌2部を進呈いたします

 

『余白域』編集・発行人

古戸圭一朗